思い起こせば

急性白血病というのは、発病してから何も治療せずにいると数ヶ月以内に死亡するそうです。中でも僕の掛かっているM3というタイプは危険性が非常に高く約1ヶ月で死に至ると言われています。
思い起こせば、旅行先で歯の痛みを感じたのがきっかけで親不知を抜くことになり抜いた後の患部の治りが悪く何度も通う羽目になったのが10月の始め頃。なんとかかんとか普通に食事ができるようになったものの今度は自分の家へと向かう団地の階段を半分上ったところで既に太ももにだるさを覚え息が上がっている自分に気が付いたのが10月の半ば頃。10月末になると風邪で扁桃腺を痛め高熱にうなされる。ここでようやく抗生物質をもらうべく近所の病院へ行くことに。このとき先生に酷い貧血を指摘され血液検査を勧められるものの糖尿やらコレステロールの説教をされるのが嫌だった僕はこれを拒否してしまう。そしてその1週間後、扁桃腺の腫れが引いたにも関わらず高熱が治まらないので再び病院へ。このときは流石に自分ひとりで病院に辿り着ける自身がなく母親に付き添ってもらった。家と病院の距離はわずか200〜300m。
診察室に入るや否や先生から「大丈夫かお前、すぐ血液検査しなきゃだめだ」の言葉が。しかしながらこの日11月4日は土曜日。一介の街医者に血液検査を行なう装置などなくどんなに急いでも午後遅くになってしまう。そんな結果を待つくらいならこの足で専門の設備の整った大きい病院へ行きなさい。ということで紹介状を持った我々はタクシーでその病院へ。診察室で待つこと暫し。先生らしき人が来て「申し訳ありませんが当院では今すぐ診断を下すことが出来ません。今ならば大学病院でベッドに空きがありますのでそちらへ移って下さい」と告げられる。そしてそのまま救急車に乗せられ今のこの病院へ。。。
10月の頭に発病していたとして、この病院に担ぎ込まれるまでに約1ヶ月。実は僕の命は限界スレスレだったかもしれない、と思うと今でも背筋がぞくっとする。
きっと誰かに与えられた命、大切に守らなきゃいけないな。