告知

病室へ到着。大部屋のようだが患者さんがいる様子はない。何この部屋???『今日はたまたま皆外泊でいないんですよ〜』と看護婦さん。ふ〜ん、そうですか。って、外泊って何ですか???ま、いっか。

暫くしてドクターが登場。僕の骨髄を採取すると言っています。コツズイ???それってコムタンスープとかでちゅうちゅう吸ってるアレですよね?そんなものどうやって採るんですか?なんと!僕の胸に針を突き刺してそこの骨から吸い出すんですか!?ここまで来たら何でも来いですよ。好きにして下さい。

ウゲーッ気持ち悪っ!な骨髄採取を終えるとお着替えタイム。着ていた服を脱いで病衣に着替えます。って、看護婦さん、そこまで手伝ってくれんでもよかですばい。わいもオトナじゃけえそれくらいのことは一人で出来ますによって。。。あ、あ、あ〜〜れ〜〜〜!!はい、完了。

なんていうお戯れをしていると、ドクターが再び登場。さて、いよいよ告知か。

『亮臣さんの病気は白血病です』とドクター。
え?ちょっと待って。今何て?唐突に何言い出すんですかあなた。もう少しタメみたいのがあってもいいでしょう、そういうコト言うときは。
白血病には何種類かタイプがありまして、亮臣さんの場合"M3"という型になります』
淡々と続けるドクター。
ちょ、ちょ、だからちょっと待てって。そんなに焦るなよ。キャッチセールスじゃあるまいし、少しはこっちが理解する時間を与えて頂戴。
白血病というと不治の病というイメージが強いですが、今は治療成績も良くなっていて多くの方が生還しています』
嘘つけって!白血病といえば夏目雅子本田美奈子だろ。生還した人なんて聞いたことないぞ。ははぁん、なるほど。とりあえずこう言って一旦落ち着かせておいて、あとからジワジワ余命を宣告する気だな。どうせ死ぬんならスッと言っちゃってくれよ。レベルに応じて余生の過ごし方を決めなきゃいけないんだからさ。1ヶ月なのか?1年なのか?え?まさか1週間ってこともあるのか?
『"M3"というのは、アンディ・フグさんや市川團十郎さんと同じタイプになります』
ほらみろ。死んだ人ばっかじゃないか。くっそー!なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ!!俺が何か悪いことでもしたか?そりゃ清廉潔白というわけではないだろうけど、俺よりもずっと悪いことをしてる奴がごまんといるだろうに。なんでそいつらじゃなくて俺なんだよ。ったく!!つーか、早く余命を発表してくれ!!(すみません。この時点では團十郎さんも死んだ人だと思ってたんです)
『10年くらい前に特効薬が開発されたおかげで、"M3"の生存率は80%以上なんです』
え?なに?死亡率じゃなくて生存率が?80%もあるの?マジで?
『6ヶ月入院してもらうことになりますが、頑張って治していきましょう!!』
おいおい、随分明るく言ってるけど、ホントかよ!?半年入院すれば治っちゃうわけ?白血病なのに?信じていいんだな?そっか。ならやってみるかな。。。

この後、治療スケジュールについて概略の説明がありました。寛解導入療法、地固め療法、維持療法の3シーズンに分けて行われ、それぞれ最初の寛解導入では例の特効薬を内服、地固めでは抗がん剤を点滴、維持療法では最初と同じ薬か新薬を内服、とのこと。ヘロヘロしながらもその程度は理解し、コンセント(合意)のサインをしました。